愛猫が口を開けてハァハァという呼吸をしているのを見た事があるでしょうか。
普段とは違う愛猫の姿に、心配になった方も多いのではないでしょうか。
実は猫が口呼吸する時というのは、生命の危機に陥っている場合があります。
猫は普段鼻から呼吸する動物です。
何か理由が無いと口呼吸はしません。
こちらの記事を読んで下さいますと、猫が口呼吸するようになる理由とその原因についてご理解いただけます。
それでは、解説いたします。
猫の正常な呼吸数
正常な呼吸数は、1分当たり20〜40回程度
寝ている時は、1分当たり15〜25回程度となるのが通常です。
猫が口呼吸するのは危険
猫が普段の鼻呼吸から口呼吸に変わる場合、大きく分けて二つ理由があります。
呼吸困難になりかけている場合と、急に大量に酸素を取り込むことが必要になった場合です。
呼吸というのは生命維持に必要な酸素を取り入れて、不要になった二酸化炭素の排出をする行為です。
空気は鼻や口から吸い込まれ、気管支を通り肺に入ります。
そこで酸素を取り込み、体内の二酸化炭素を排出して、再び鼻や口から出て行きます。
猫は、普段はゆったりと鼻から呼吸していても、この呼吸器系に問題が起こった場合、急いで酸素を供給する為に口呼吸になります。
酸素を運ぶ血液、心臓など循環器系についても同様です。
また酸素はエネルギー源ですので、エネルギーを消費し過ぎた時も口呼吸になります。
猫が口呼吸する原因
具体的な原因についてお話しします。
原因には、病的なものとそうでないものがあります。
猫が口呼吸するのは急性ストレスかも?
猫が口呼吸する原因の一つには、「急性ストレス」の可能性があります。
猫が口を開けて、ハアハアと呼吸するのは、猫の急性ストレスの症状の一つです。
もし、口呼吸の他に、耳を伏せて、瞳孔を大きく開き、その場で固まるような様子を見せていたら、急性ストレスの可能性があります。
他に、食欲が落ち、排泄回数が減る様子も重なるようなら、可能性は高いです。
猫の口呼吸|呼吸器系の病気
猫は、肺や気管支に異常がある場合、うまく空気が吸えず口呼吸になります。
「肺炎」や「気管支炎」、「喘息」など炎症が起きている場合。
「肺水腫」「肺がん」など、肺が圧迫されて、十分な量の酸素が入ってこない場合。
横隔膜が破れるなど付近の臓器に異常があり、呼吸器系を圧迫している場合。
いずれのケースも重傷である場合が多く、悪化して呼吸困難になる前に対処が必要になります。
猫の口呼吸|循環器系の病気
心臓は全身に酸素を取り込んだ血液を送っています。
この心臓がうまく機能しなくなり、酸素が行き渡らなくなると「酸素が足りない」と、判断して口呼吸になります。
また、貧血でも酸素が行き渡らず同様の事が起こります。
猫の口呼吸とよだれ|それは熱中症
夏場だと熱中症の可能性があります。
体温が上がり過ぎている場合、犬と同じように口呼吸して口内の水分を蒸発させ、体温を下げようとします。
猫は足の裏にしか汗腺がなく、全身で体温調節できないため行うものです。
口からよだれが流れ出し、目の粘膜が充血という症状もあるなら、熱中症の可能性が高いです。
猫の口呼吸|鼻づまり
風邪などウイルス性の病気にかかった場合、鼻水などで鼻が塞がってしまう事があります。
こうなると口でしか呼吸できなくなりますので、自然と口呼吸になります。
病気以外の場合
急に激しく運動した時や緊張して、心拍数が上がった状態では、口呼吸になるケースがあります。
特に身体の小さな仔猫に多いです。
体内での酸素の消費量が増え、慌てて酸素を取り込もうと口呼吸になります。
心拍数が落ち着くと鼻呼吸に戻ります。
猫の口呼吸は死の前のサインの場合も
猫の最後の時には、意識がなくなり、口呼吸を始めます。
悲しいことですが、口呼吸が浅くて早い。
そんな状況になったら、別れの時かもしれないです。
猫が口呼吸|原因の見分け方と対処法
猫が口呼吸になる原因に、危険なものがある事がお分かりいただけたと思います。
その原因の見分け方と、どうすればいいのかを解説します。
猫の口呼吸|呼吸器系、循環器系の病気
これは、専門家、つまりお医者さんでなければ、見分けられません。
内臓系疾患の場合は元気がない、食欲がない事など、口呼吸以外にも症状は出ているでしょう。
これらは病院に行かないと、具体的な原因の特定ができません。
いつ呼吸困難になるかも分かりませんので、なるべく早く病院に行って下さい。
猫の口呼吸は危険|熱中症
身体が熱く呼吸が早い時は、熱中症の可能性が高いです。
暑い部屋に長時間居ませんでしたか?
クーラーを付けたり水を飲ませたりして、なるべく早く体温を下げましょう。
猫の身体に冷えたタオルを当てるのも有効です。
痙攣や下痢を起こしている場合は、ダメージが内臓に達しているので病院に行きましょう。
猫の口呼吸|鼻づまり
咳やくしゃみがあり、鼻から鼻水が垂れてしまっている場合は鼻詰まりが原因です。
鼻詰まりになる原因もたくさんありますので、病院に行って診てもらいましょう。
病気以外の場合
猫をリラックスさせて、心拍数が落ち着くまで様子を見ましょう。
自然に鼻呼吸に戻るようでしたら、心配ありません。
しかし、落ち着いても口呼吸を継続するようでしたら、病院に行くことをお勧めします。
まとめ
猫が口呼吸をしている場合、身体に不調がある事が多いです。
また、重症であった場合いつ呼吸困難に陥るか分かりません。
飼い主さんの早めの気付きが肝心になってきます。
異常を感じたら、なるべく早く病院に行く事が大切です。
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