猫のヘルニアは4種類あります。
⚪横隔膜ヘルニア
⚪臍ヘルニア
⚪食道裂孔ヘルニア
⚪腹壁ヘルニア
猫ちゃんがヘルニアになると、痛みがあり横になろうとしないこともあります。食欲不振や下痢や嘔吐の症状が見られることもあります。
症状が見られた場合は、すぐに診察を受けましょう。
猫のヘルニア|横隔膜ヘルニア

外に出る猫や、家の中でも活発で動きの激しい猫ちゃんは要注意です。
横隔膜ヘルニアは、交通事故や落下事故など、強い衝撃を受けるとなることがあります。重症の場合は命の危険もあります。
強い衝撃を受け、横隔膜が破れると、胸腔内に腸や肝臓が押し出されます。これを横隔膜ヘルニアと呼びます。
最も顕著な症状は、呼吸です。肺が膨らむスペースが狭くなるため、呼吸が速くなり、荒くなったりします。
安静時に口呼吸が見られたら、病院で診てもらいましょう。
他の症状は、食欲不振や嘔吐、おもちゃを見せても遊ばなかったり、寝る時も横にならないなどがあります。
治療は手術しかありません。
内蔵を元の位置に戻し、破れた横隔膜を縫合します。
猫のヘルニア|臍ヘルニア

臍ヘルニアは、母猫が子猫の臍の緒を噛み切る時に、お腹のぎりぎりで噛み切ってしまい、腹壁が塞がらず穴が空いてしまうことからなると言われています。
穴から、腸や脂肪が飛び出ている状態で、穴が大きくなると壊死したり、腹膜炎を起こすこともあります。
臍ヘルニアに気づくポイントは、猫ちゃんがごろんとした時に、お腹にコブのような膨らみが見られたり、お腹を触った時に、ころんとした感触で分かる場合があります。
穴から腸が飛び出ると、お腹を触ると痛がったり、食欲不振、嘔吐や下痢などの症状が見られます。
治療は手術を成り、去勢・避妊手術と同時に行われる場合が多いです。
猫のヘルニア|食道裂孔ヘルニア
食道裂孔ヘルニアは先天性の疾患です。
食道が横隔膜を貫通して出来た穴が食道裂孔です。この穴が大きすぎて胃が飛び出した状態を食道裂孔ヘルニアと呼びます。
食道裂孔ヘルニアの症状は、よく吐くことです。そしてよだれが出たり、フードが飲み込めなくなることもあります。
治療は、手術をなりますが、嘔吐がひどい猫ちゃんは、まず内科治療を行って、体力を付けてから手術となることが多いです。
猫のヘルニア|腹壁ヘルニア
腹壁ヘルニアは、横隔膜ヘルニアと同様に交通事故や落下事故、その他に猫同士の怪我をするほどのケンカなどでもなることがあります。
腹壁の一部が破れ、そこから皮下内に脂肪や内臓が飛び出した状態が腹壁ヘルニアです。
腸や膀胱・子宮などが飛び出すこともあります。
避妊手術の際に、腹壁がうまく閉じずに穴が空いて腹壁ヘルニアになるケースも稀にあります。
横になるのを嫌がります。急に嘔吐や下痢を繰り返すこともあります。お腹がぽっこりと膨らんで、触るのを嫌がるようなら早急に受診しましょう。
治療は手術になります。
まとめ

猫ちゃんにとって、どのヘルニアもとても苦しく辛いものです。
手術しか治療法がありません。
先天性のヘルニア以外は、外に出さないことや、落下しないように工夫することで防げます。猫同士のケンカを避けるために去勢手術をするのも良いでしょう。
飼い主さんが見ていない時に落下していることもあります。
ヘルニアの症状が見られたら、すぐ受診しましょう。