現在、家猫ちゃんの平均寿命は約15歳と言われています。
⚪子猫期 0〜1歳 人間で言うと、未成年
⚪成猫期 1〜6歳 人間で言うと、成人からアラフォー
⚪壮年期 7〜10歳 人間で言うと、中年
⚪中年期 11〜14歳 人間で言うと、シニア
⚪老猫期 15歳〜 人間で言うと、後期高齢者
猫の老化
猫ちゃんの個体差はありますが、10歳くらいから段々と老化のサインが見られるようになります。
見た目には、あまり変化が感じられなくても、老化は止められません。
老化のサインが見られたら、フードや生活環境を見直してあげましょう。
猫ちゃんもシニア以降は病気になりやすくなります。些細な変化が病気のサインのこともあります。「歳のせい…」と判断せず、老化のサインなのか病気のサインなのか、見逃さないようにしましょう。
老化のサイン
⚪寝て過ごす時間が増える
⚪毛艶がなくなり、毛自体が細くなる
⚪目やにがよく出る
⚪口の周りに白い毛が増える
⚪口臭がきつくなる
⚪歯が弱くなる
⚪体のハリやしなやかさが低下する
⚪高い所に上がれなくなる
⚪脂肪が目立つようになる
⚪視力が聴力が低下し、反応が鈍くなる
病気のサイン
シニア期に多い猫ちゃんの病気のサイン
⚪飲水量が増える
腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症
⚪体重が減少
食欲がなく体重が減少 → 腎臓病・悪性腫瘍
食欲があり体重が減少 → 糖尿病・甲状腺機能亢進症
⚪お腹が膨れている → リンパ腫・乳がん
「歳だからと…」と、見逃されがちな病気のサインです。明らかに痛がったり、ぐったりした時には、病気が重症化していることもありますので、異変に気づいたら、病院を受診しましょう。
毎日行う健康チェック
日頃からスキンシップを兼ねて、体全体を撫でて慣らして起きましょう。
毎日撫でることで異変にも気付けるでしょう。
異変があったり、猫ちゃんの様子がおかしいと感じたら、写真や動画を撮って置くのもいいでしょう。診察の参考になることもあります。
チェック項目
⚪おしっこやうんち
回数・色・匂い・量・下痢・便秘
⚪触診
触ると痛がる、触ろうとすると嫌がる・怒る
お腹が膨れていたり、どこかにしこりはないか
脱毛はないか
⚪飲食
食欲がない、全く食べない。逆に食べ過ぎる
水を飲まない。逆に飲み過ぎる
⚪行動
興奮状態が続いたり、落ち着きがない
ふらふらしている。歩き方がおかしい。
発作や痙攣がある
呼吸が荒い・速い
部位別チェック項目
⚪耳
嫌な匂いがする。
耳を執拗に掻く。
耳の周りが脱毛している。
耳が熱すぎる。
⚪鼻
起きている時、鼻が乾いている。
鼻水が出る、または、鼻が詰まっている。
くしゃみを頻繁にする
鼻血が出る
⚪目
白目の部分が黄色 → 黄疸
白目の部分が赤 → 結膜炎・緑内障
涙や目やにがたくさん出る
⚪口
口臭がきつい
よだれが出る
歯茎から血が出ている
⚪皮膚
発疹がある
体を執拗に舐める・引っ掻く
脱毛している
背中の皮膚をつまんだ後、なかなか元に戻らない
10歳までは、年に1回健康診断を受けましょう。11歳からは半年に1回のペースで受けましょう。
シニア期に入ったら猫の環境を見直そう
シニアの猫ちゃんは、人間同様、病気のリスクが高くなります。ストレスで病気になりやすい猫ちゃんのために、ストレスフリーな環境を整えましょう。
見直す項目
⚪フード
10歳を超えたら、少しずつシニアのフードに移行しましょう。シニアになってから偏食になる猫ちゃんもいます。フードを温めてあげるのもいいでしょう。それでも食べない時は、お気に入りのおやつやフードを予め見つけておき、与えましょう。猫ちゃんが丸1日食べないと、命にかかわることがありますので、注意が必要です。
⚪お水
高齢になるほど、猫ちゃんも動くのが億劫になります。猫ちゃんの通り道に水飲み場を複数箇所、設置してあげましょう。
⚪トイレを増やす
猫ちゃんも足腰が弱くなります。トイレに間に合わなくなることも出てきます。トイレの数を増やしたり、周りにペットシートを敷いておくのもいいでしょう。
⚪ブラッシングや爪切り
シニアになると、だんだんとグルーミングの回数が減って行きます。飼い主さんがブラッシングをしてあげましょう。毛の汚れが気になる場合は、40℃くらいの蒸しタオルで拭いてあげましょう。
シニアになると、爪が出たままになってくるので、カーテンやカーペットに引っかかったり、肉球が傷ついたりするので、こまめに爪切りをしてあげましょう。
⚪引っ越しや模様替えを控える
猫ちゃんにとって環境の変化はストレスとなります。シニア猫にとっては尚更です。どうしても引っ越しが避けられない場合は、引越し先での受診先を調べておきましょう。現在のかかりつけ医に紹介してもらうのも良いでしょう。
引っ越し作業中は現場から離れておいた方が良いでしょう(キャリーに入れ、飼い主さんと車で待つなど)。新しい住居には、全ての荷物が入れ終わってから入るようにしましょう。
今まで使っていた物を持って行きましょう。特に猫ちゃんグッズは新調しないで下さい。
猫ちゃんが不安にならないように、出来るだけそっと見守り、猫ちゃんだけでのお留守番は、しばらくは止めましょう。
模様替えやリフォームは止めましょう。
⚪新しい猫ちゃんのお迎えはしない
現在、多頭飼いしているとしても、ストレスになることにはかわりありません。持病のある猫ちゃんだとストレスで悪化する場合もあります。
⚪たばこは止める
禁煙が無理なら、喫煙場所を決めて、その中に猫ちゃんを入れないようにして下さい。たばこは、猫ちゃんのリンパ腫発生率を高めることが、明らかにされています。
⚪アロマや芳香剤は置かない
猫にとって植物は、危険なものがたくさんあります。アロマなどの精油は、植物のエキスを濃縮して作られているので、中毒症状を起こす場合があり危険です。
芳香剤もアロマと同じ成分が含まれていたり、含有量がわからなかったりするので使用は止めましょう。消臭剤も成分を確認し、安全なものだけを使って下さい。
どうしても匂いが気になる場合、空気清浄機を使うことをおすすめします。