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職業の現実に目を向ける

獣医師になりたい、と思った時に真っ先に想像したのが、「裏の面」です。

今まで、とある専門職を20年近く続けてきた私。目指した当初は若かったこともあり、使命感に燃えていました。

しかし、年を追うごとに深くなり続ける「コレジャナイ」感と徒労感

ひたすら蓋をし、自分の本音を見なかったことにし、気付かなかったことにし、「感情移入しない」「他人事」と割り切ることで何とか継続して来ました。

この職のメリットは、儲かること。逆を返せば、私にはそれ以外のメリットは思い浮かばず、とても人にオススメすることもできない。

一般的には、社会的地位も信頼度もかなり高位ですし、難しい試験を何年、何十年と超えてでもなりたい人は沢山いる職です。

結婚・出産して働き方を選び、受ける仕事を選り好みしても平均的な会社員の夫の倍は稼ぐことができます。

しかし、20年で嫌な面を見過ぎました。

どんな職業にも裏はあり、夢や想像とは随分違うものでしょう。・・・では、幻滅した時にそれでも続けていくには何が必要なのか?

この問いを考え始めて3年くらい経ちましたが、現時点では、結局、最後は「好き」なことかどうか、意志の力だと考えています。

私は今の職を好きではありません。なので、目の前でめちゃめちゃ困っている人がいて、(無償で)「お願いします、助けてください」と言われても決して挙手せず目を逸らすはずです。先生と呼ばれるのも大嫌いですし、職を聞かれても「会社経営」と言って誤魔化します。突っ込まれても、サービス業だの専門職だのと言うようにしています。

では、目の前に困り果てた猫さんがいたらどうでしょう?

確実に、全速力の全力でできることをします。そうしてボランティアを続けて早6年になります。無償どころか、身銭を切りまくって喜んでやっています。

獣医師は、自死率も極めて高いといわれ、しんどいことがとても多いのだと思います。

まだ経験していない私ですら、たくさんの裏が想像できます。

動物は寿命短いですから、人間の医師の何倍もの死に立ち合うでしょう。

人間ほど医療が進んでおらず、リソースも少なく、助けられない自責の念に駆られることも多いでしょう。

どうしてもやむを得ず、安楽死に対峙することもあるでしょう…

以下はボランティアですら日々感じています。

引っかき傷、咬み傷絶えることなし。

4Kがデフォルト(臭い・きつい・汚い・可愛い)

保護される子との毎日は、基本、うんち、オシッコ、ゲロ、投薬。体を虫さんがピョンピョンしてたり、うんちやお尻の穴からも、よく虫さんがコンニチハします。

マーキングや、布団でオシッコ。捕まえるだけで引っ掻かれる投薬。パンチが飛んで来るため、孫の手であげるちゅーる。

不安で、当分止まない夜鳴き。24時間体制の、2時間毎授乳と排泄。

どんどん吹き飛んでいく資産。

ニュースで取り上げられる保護猫活動はキラキラして見えますが、実際は何一つキラキラしていません。

でも、猫さんが大好きだから、どんなにマイナス面が多くても「4つ目のK(可愛い)」だけで全て帳消しです。

こんなふうに「好き」という気持ちが全てを乗り越える原動力になるのではないか…逆に、「好き」がなければ、心が満ちることはないのではないかな。

40代は、体が動くうちにライフワークに出会える、残り少ないチャンスの時間と捉えています。

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この記事を書いた人

neko(ぽっけ)です。
26歳で、ある国家資格で独立し、いくつか会社も興し、バリバリ仕事をやってきました。
自分を削りながら働いた代償は・・・もう、働く必要がないくらいのお金と、物欲の喪失・・・そして、15年後、まだこの世にいるかどうかわからない癌の自分。

※身バレ防止のため、ほんの少しフェイクあり。

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