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ロードキルの悲劇

夜、病院からの帰り道。

あと5分もしないで家に着く、そんな距離での出来事だった。

運転していた夫が、「あー!」と声を上げ、大きく膨らんで通り過ぎてすぐに車を停めた。

眼鏡をかけておらず、見えていなかった私は「どうしたの?」と尋ねた。

「猫さんが轢かれていた…」

夜で車の通りは既に少なかったが、周囲に気を付けながら猫さんのところへ向かった。

近づくと、耳から大量の血を流し、目を見開いたまま既に事切れていた…。

なんてことだ。

「連れて帰ろう」

夫が、道路の端に落ちていたビニール袋を手に取った。が、どことなく躊躇している。

躊躇する方がむしろ普通かもしれない。血は道路の奥の方まで流れ出し、苦悶に満ちたお顔をしている。

隣にいた私はジャケットを脱ぐと、赤ちゃんのおくるみのように、そのこを包んで抱き上げた。

まだ柔らかく、温もりも伝わってきた。

目を閉じてあげたうういi

一方で、大量の血は、ジャケットから流れ出し、私の胸、腹、足を伝って地面に血溜まりを作っていた。

その服いくらすると思ってるの…
夫は呆れている。そして、そのまま、

「この車に血付けたくないから、乗り換えてくる」

と言いながら、私たちをその場に置いてお気に入り→コンパクトカー車をチェンジしに行った。

その間、そのこを抱っこして赤ちゃんをあやすように優しく語りかけた。

抱っこから伝わる温もりはまだぽかぽかと私の足を温めるrrrrr

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この記事を書いた人

neko(ぽっけ)です。
26歳で、ある国家資格で独立し、いくつか会社も興し、バリバリ仕事をやってきました。
自分を削りながら働いた代償は・・・もう、働く必要がないくらいのお金と、物欲の喪失・・・そして、15年後、まだこの世にいるかどうかわからない癌の自分。

※身バレ防止のため、ほんの少しフェイクあり。

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