夜、病院からの帰り道。
あと5分もしないで家に着く、そんな距離での出来事だった。
運転していた夫が、「あー!」と声を上げ、大きく膨らんで通り過ぎてすぐに車を停めた。
眼鏡をかけておらず、見えていなかった私は「どうしたの?」と尋ねた。
「猫さんが轢かれていた…」
夜で車の通りは既に少なかったが、周囲に気を付けながら猫さんのところへ向かった。
近づくと、耳から大量の血を流し、目を見開いたまま既に事切れていた…。
なんてことだ。
「連れて帰ろう」
夫が、道路の端に落ちていたビニール袋を手に取った。が、どことなく躊躇している。
躊躇する方がむしろ普通かもしれない。血は道路の奥の方まで流れ出し、苦悶に満ちたお顔をしている。
隣にいた私はジャケットを脱ぐと、赤ちゃんのおくるみのように、そのこを包んで抱き上げた。
まだ柔らかく、温もりも伝わってきた。
目を閉じてあげたうういi
一方で、大量の血は、ジャケットから流れ出し、私の胸、腹、足を伝って地面に血溜まりを作っていた。
その服いくらすると思ってるの…
夫は呆れている。そして、そのまま、
「この車に血付けたくないから、乗り換えてくる」
と言いながら、私たちをその場に置いてお気に入り→コンパクトカー車をチェンジしに行った。
その間、そのこを抱っこして赤ちゃんをあやすように優しく語りかけた。
抱っこから伝わる温もりはまだぽかぽかと私の足を温めるrrrrr
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